皆さんこんにちは
突然ですが、皆さんは御守りや縁起物を身につけておりますでしょうか。
身に付けていると言う方はどんなものを身につけていますか?
歩いていると、神社の「御守り」を鞄に付けている方は沢山お見かけしますが、金や銀、翡翠などの鉱物や宝石、象牙や真珠なども健康運や金運の験を担ぐ物として昔から大切に扱われてきました。
本日は、そんな縁起の良いものの中でも「魚」から入手できる縁起物をご紹介していければと思います。
目次
1、概要
2、日本における鯛
3、縁起の良い生き物
4、鮪の鮪
5、終わりに
1、概要
「鯛之鯛」(タイのタイ)
皆さんに一番お伝えしたいのがこの「鯛之鯛」。読み方は「タイのタイ」と言います。
漢字だけ見ると何か言いの勘違いなのかな?と思われた方もいらっしゃるかもしれませんがタイのタイで
正解です。
「鯛の鯛」は、鯛や鮪、鰤といった硬い骨を持った魚の骨の一部です。この骨は、胸鰭を動かすための骨で肩甲骨と鳥口骨という骨が繋がった物です。どうしてこんな不思議な名前なのかというと、この骨の形が鯛の姿に似ていることから鯛の鯛と呼ばれるようになったと言われています。
2、日本における鯛
鯛は日本の文化の中でも「めでたい」などと言われ古くから非常に縁起の良い魚として知られています。
結婚式では鯛を丸々使った土鍋の炊き込みご飯やお子様のお食い初めなどにも鯛の丸焼きが用意されるなど現代でも鯛は日本文化にとって大切な食材です。
結婚式やお食い初めなどライフイベントの際に食べられていたことからも鯛はとっても高価な魚だったことが想像できるかもしれません。鯛は養殖技術が発達したことによりかなり安くなっているとはいえ今でも立派な高級魚です。ひと昔の「鯛」に対する感覚が分からず、皆様にお伝えすることができないのですが相当な値段で取引されていたのではないでしょうか。
そんな超高級で縁起の良い鯛の中にもう1尾、鯛がいるということが分かったら尚更おめでたい気持ちが強まり嬉しくなりますよね。昔の人も鯛の中の鯛ということで「鯛之鯛」を縁起が良い物、金運を高めるお守りとして大切にされていたそうです。
3、縁起の良い生き物
鯛は「めでたい」の「タイ」として縁起の良い魚であることは皆さんご存知だと思いますが、鯛の他にも縁起の良い生き物は沢山います。僕たちの生活の身近にいる生き物にも様々なご利益のありそうな願いが込められているので紹介したいと思います。もし、知らないけどこんな縁起の良い意味が込められていたんだと知っていただけたら嬉しいです。
「犬」犬は沢山子どもを産むことから子宝に恵まれるという意味を持つ動物だそうです。犬は子どもを沢山産み、家族を大切にする生き物ですが、人間の生活にも非常に身近な生き物ですよね。犬の家族思いと子宝に恵まれるという幸せな特性を分けてもらえると嬉しいですね。
「猫」猫は“招き猫”や“猫に小判”と言われるように非常に金運の強い生き物と考えられています。
招き猫は何を招いているかというと、右手でお金を招き、左手でお客さんを招いているそうです。
両手上げている招き猫をどこかで見たことがありますが、そんなに欲張っても良いのでしょうか。
「猿」サルといえば、“去る”。あらゆる困難や不幸が“去る”ということで非常に語呂が良い動物です。
犬は動物としての習性から縁起の良い意味を込められているのに対し、猿は名前から縁起の良くなる意味が込められていてその違いに何か面白みを感じました。
動物ばかりになってきてしまったので、縁起の良い魚も見てみましょう。
例えば、「金魚」は縁起の良い魚として有名です。
説明せずともわかるかもしれませんが、名前に「金」の文字が入っていることからいかにも「金」を呼び込みそうですよね。金魚の種類によっては、紅白模様の金魚もいるのですが、“紅白”といえばとってもおめでたい色の象徴ですよね。入学式や卒業式の新たな門出の式典では紅白の横断幕が掲げられていたり、名前に“金”がつくだけでなく体は“紅白”ときたら見ているだけで幸せになりそうですね。
ちなみに、「あての極み」蟹のベテラン目利き人は、今でこそ豊洲市場でナンバーワンの信頼と実績を誇る蟹・アワビのプロフェッショナルですが、築地市場の時代に入社したての時は、お祭りで見かけるような金魚すくいの金魚を袋に小分けにして売っていたという過去があるそうです。
飲食業界のプロ御用達の築地市場で観賞用の金魚を売っていたということにまず驚きを隠し得ないのですが、もしかすると金魚を売っていたからこそ、金魚の金運が付いて蟹やアワビの第一人者としての信頼を築き上げることができたのではないかと密かに思っています。
また、蟹も実は非常に縁起の良い生き物ということはご存知でしょうか。
蟹も金運を運ぶ生き物として知られており、蟹が口から泡をぶくぶく吹いている様子はお金がブクブクあふれている様子を連想させるということや、ハサミを振りかざす様子がツキを招いているように見えると言われます。
蟹の中でも、最高級ランクに位置するズワイガニと紅ズワイガニの交雑種は「黄金蟹」と呼ばれており金魚といい黄金蟹といい金目鯛といい、魚関係は金運を呼ぶ生き物が多い気がします。
4、鮪の鮪
いつも通り、ものすごく話が脱線してしまいましたが「鯛之鯛」は鯛の骨のことを言います。
肩甲骨と烏甲骨の繋がった骨は金目鯛やトラフグ、マグロ、カサゴ、ヒラメあらゆる魚にこの骨が見られますが、どの魚の骨も「鯛」のように見えます。マグロの骨も鯛のように見えますし、フグの骨も鯛に見えます
ですが、「マグロの鯛」や「ふぐの鯛」とは呼びません(笑)
マグロも「鯛の鯛」ですし、フグも「鯛の鯛」と呼びます。あえて別の言い方をするのであれば「マグロの鯛の鯛」や「ふぐの鯛の鯛」という呼び方や「鮪之鮪」と言う言い方をします。
マグロや大型の魚になると骨がとっても大きくなり、この骨に金色で着色するととっても迫力が増し、豪華になります。
あての極みのベテラン目利き人は豊洲市場で見かけるありとあらゆる魚で「鯛の鯛」を作成し、事務所に飾っているのですが、現在所持している中で一番大きい物では「鮪之鮪」が30cmほど、小さい物では数ミリ程度の「鱚之鱚」も綺麗に額縁に飾ってあります。
これからもマニアックな魚の骨を集め続けると言っているので魚に対する想いは尋常ではありません。
鮪以上に大きい魚が気になると言っていたので、いつかコレクションが増えた際にはまた皆様にお知らせできたらと思います。
5、終わりに
今日は鯛の骨の一部に“鯛”に見える骨があり、非常に縁起の良い物、金運上昇に繋がる物として紹介させて頂きました。鯛や魚を丸々一尾購入し、魚の骨格を熟知していないと、この骨がどこにあるのかと言うことは分からず生ゴミに直行してしまうかもしれません。もしご興味のある方はYouTubeで調べていただくと見つけることができるのでお時間のある時に確認して見てください。
先日、弊社のベテラン目利き人が幼稚園生の子どもに「鯛之鯛」を配ると言うことで合計30個ほど作成していましたが、かなり繊細で時間のかかる作業でした。骨に身がついているのでしっかり取らないと細菌が繁殖してしまうことや身が腐敗して臭いが出てしまうこともあるので、何日も時間をかけて洗浄の工程を行っていました。
洗浄が終わってからは、乾燥の工程も時間がかかりますし、塗装にも時間がかかります。
もの凄く時間をかけて作成する「鯛之鯛」ですが、本来であれば捨ててしまう魚の骨を「縁起物」に変身させ、多くの子どもたちを喜ばせている様子はとっても素敵な光景だと感じ、「美味しい」だけではない魚で人を喜ばせる方法を学ぶことができたとても大切な時間でした。
これからも魚屋の見習いとして、魚で人を喜ばせる方法を沢山考えていきたいと思いました。
長くなってしまいましたが、本日もここまで読んでくださりありがとうございました。
今日からの4連休、どうぞお楽しみ下さい。
魚屋が大切な家族に本当に食べさせたいお魚をご自宅にお届け
魚河岸が日本橋に所在を置いていた時代から約130年間。
日本橋・築地・豊洲と何度も場所を変えいくつもの時代を超えて
沢山の同業者やお客様と築いてきた信頼と実績で最高のお魚をお選びします。
yusaku