「魚を美味しくする魔法の工程」2
血の味がしない美味しい魚と血の味がするあまり美味しくない魚の違いはどんなところにあるのか考えてみたところ、どうやら、
1,魚の鮮度(1日経ってるか、すぐ食べたか)
2,下処理
この2つのポイントに理由がありそうということで、話を聞いたり調べてみました。
まずはじめに1つ目のポイント「魚の鮮度について」です。
よく魚は”鮮度が命”や”締めたて、捌きたてが一番美味しい”と言われます。
しかし、「鮮度」って何を指しているのでしょうか?
水揚げされてから市場に届くまでの時間が短いことを鮮度が良いという方もいるかもしれませんし、生きている魚だけを鮮度が良い、絶命してから時間が経っていない魚を鮮度が良いと考える方もいるかもしれないといった様に鮮度にもいくつかの捉え方があるかと思います。
「鮮度」を仮に、「絶命してからの経過時間が短い魚」と捉えたときにそれが美味しい魚であるかというと必ずしもそうではないのです。
と言うのも、捌きたての魚が最も美味しいのであれば寿司屋は活きたままの魚を買い付けお客さんの目の前で捌いて握るはずだからです。
もちろんそうした方が美味しい魚も中にはいますが、ほとんどの魚は少し時間が経ってからの方が美味しくなります。これは別の言い方をすると「熟成」とも呼ばれていて、魚の中に眠っている旨味成分を引き出す方法の1つです。
魚が生きるために使っていたエネルギーが、旨味成分へと姿を変えることで魚が美味しくなるのですが、エネルギーが旨味成分へと変化するのは、死後硬直が終わってからなので数時間から数日かかります。
もしエネルギーを沢山持っている魚であれば、全てのエネルギーを旨味に変えるために1ヶ月以上かかる魚もいます。もう「鮮度」とは程遠い話になってきてしまいますよね。
つまりは、魚から血の匂いがする・しないと言うことや美味しい・美味しくないと言う部分には「鮮度」がそれほど関係していないのではないかと思います。
それでは、何が関係しているのか2つ目のポイント「下処理」について考えていきたいと思います。
魚の下処理と言うとどんなイメージがありますでしょうか。
豊洲市場の魚屋の感覚で言うと、鱗や頭を取ることや内臓を取り出すこと、魚の内臓部分を水で洗うことなどが下処理にあたります。
内臓を取り出すと言いましたが、魚が血生臭いのはこの辺りに問題がありそうな気がしませんか?
魚だけではなく他の動物もそうなのですが、体を動かすためにはエネルギーが必要で、そのエネルギーを全身に届けるために血管が張り巡らされています。
この血管の中に血が残ったまま時間が経つと魚の身に血の匂いが移ってしまい美味しくなくなってしまいます。
捌いてからすぐ食べる場合は身に血の匂いが移ることはないのですが、時間が経つにつれ血の匂いが定着してしまいます。また血には沢山の細菌が潜んでいるのでこの細菌が繁殖することのよって血の匂いを余計に不快なものにしてしまいます。
なので本当に美味しい魚を食べるためには如何にしてこの血を処理するかが非常に大切になってきます。
魚の血を抜くことに関して、右に出るものはいない凄い人の話を聞いたので次回はその方話ができたらと思います。
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魚河岸が日本橋に所在を置いていた時代から約130年間。
日本橋・築地・豊洲と何度も場所を変えいくつもの時代を超えて
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yusaku